山羊

七匹程度の山羊。



危うく赤頭巾に贓物を引きずりだされるところだったオオカミだったが・・

赤頭巾「・・今後、他の動物を襲わないこと。いいわね?」
オオカミ「え?・・あの、ワシ肉食なんで・・。」

ズルズル

オオカミ「ニギャー!ワワ、わかっかりやした!分かりました!ワシャ、今後襲ったりとかしませんので!」
赤頭巾「よろしい。なら、さっさとお行き。」
ばあさん「お前、そんなキャラじゃったか?」
赤頭巾「ウッセ!手前もとっとと失せやがれ!」
オオカミ「ちょ、せめて縫合して・・・って!裂ける裂ける!」

ということで、なんとか一命は取り留めたのであった。
勿論、こんな恐ろしい娘のいるところなんて一秒ともいられるはずのないオオカミは、山へと帰って行くのであった。


数ヵ月後

オオカミ「ダメだ・・今までなんとか小麦やパンでごまかしてきたが、そろそろ限界だ。
肉食が肉を食わずに生きていけるはずがない・・。もう時も経ったし・・そろそろ頃合だな。」

山里

オオカミ「この小屋には、確か7匹ぐらいのヤギがすんでるはずだ。調査によると、母親は毎度決まった時刻に買い物に消える。」

小屋

オオカミ「フフ、この家だな・・。」

小屋の中

母ヤギ「じゃあ、みんな。私は町に買い物へ行ってきますね。」
ヤギ1「うん、しっかりお留守番してるね!」
ヤギ3「うん、僕ちゃーんと弟や妹たちの面倒みるからね!」
ヤギ6「おみやげ買ってね!」
母ヤギ「ハイハイ。わかってますよ。いいかい、家の鍵は・・・。」
ヤギ2「分かってるわよ、母さん。」
ヤギ4「オオカミには気をつけろってことでしょ?」
母ヤギ「そのとおり!オオカミは・・・」
ヤギ7「まっくろー!」
ヤギ6「けむくじゃらー!」
ヤギ4「そして、キタナイ声!」
母ヤギ「そうよ、玄関の鍵を開けるときは気をつけるのよ。」
ヤギ一同「いってらっしゃーい。」
母ヤギ「はいはい。」


小屋の前の木の前

オオカミ「事前に下調べを怠らない男。オオカミの登場だ。フフ、本当に久々に肉を・・ああ、泣けてくる。」

パラパラ・・

オオカミ「ええと、ココの家は子ヤギが七匹住んでる母子家庭。山奥に住んでいるため結構用心深い・・と。
フフ、用心深いのはこっちも一緒なんだよ。オオカミは、真っ黒で毛むくじゃらで、声が汚い。ほっとけ!」

ポムポム

オオカミ「俺はどこかの童話のように何度も失敗は繰り返さない男。まずは小麦粉で・・・ウォエ、口ン中入った。」

オオカミ、小麦粉で真っ白に

オオカミ「フフ、シロオオカミってのも中々いいかもしれん・・女子高生辺りに人気が・・・ああ、次は声だな。」

オオカミ、飴を舐める。

オオカミ「先代のオオカミは飴玉で声を変えたらしいが・・・できるのかよ、モゴモゴ・・・・あ、結構うまいな、コレ。
モゴモゴ・・・あ、次違う種類の買おう。美味いわ・・・。」


オオカミ「あ!んな事してる場合じゃ・・・およ?結構いい声になってるじゃないの。オホホ!さぁ、突撃だよ!私の晩御飯!」


ヤギ宅

ヤギ5「食らえ!目ヂューサの眼!」
ヤギ6「ギャー!内臓が!!」
ヤギ4「ちょっと!暴れないでよ!」

ピ〜ンポ〜ン

ヤギ5「あ、母さんだ!」
ヤギ6「母さんだ〜!」
ヤギ4「ちょ、待ちなさいよ!あなたたち!ちゃんと確認しないとわからないでしょ!」
ヤギ2「僕が行くよ。」
ヤギ3「俺も。」
ヤギ5・6「僕も行く〜!」
ヤギ1「ホラホラ、落ち着いて。」

オオカミ「やぁ、お前たち。母さんですよ。開けておくれ〜。」
ヤギ5「ほら、やっぱり母さn」
ヤギ3「待て、本物の母さんなら足を見せろ!」
オオカミ「ハイハイ、しっかり見ておくれ。」
ヤギ2「・・・ウム、白いな。」
オオカミ「分かったでしょ、開けておくれ。」
ヤギ2「よし、じゃあ・・・」
ヤギ3「・・待て。」
ヤギ2「なんだよ。」
ヤギ3「母さんの足ってどんなのだっけ?」
ヤギ4「何言ってるのよ、母さんの足は・・・・」
ヤギ3「足は?」
ヤギ4「・・・足なんて普段見ないわね。」
ヤギ3「そうだろ、もしかしたら母さんじゃない可能性もないとはいえないぞ。」
ヤギ2「たしかに、一理ある。」
ヤギ3「よし、じゃあ・・・・。」
ヤギ2「手だな。母さん。手を見せてくれないか?」
オオカミ「・・・はいはい、どうぞみておくれ。」
ヤギ3「お前・・手で本物かどうかの識別できるのか?」
ヤギ2「いや・・・できない・・か?」
ヤギ4「ヤギの手なんてみんな似たようなモノだしね・・。」
ヤギ3「じゃあ、どうすんだよ。」
ヤギ2「というか、そもそも母さん最近朝帰りばっかで会わねぇし。」
ヤギ4「そうよね・・今日も2週間ぶりぐらいかしら?」
ヤギ3「ああ、双だったよな・・。」
ヤギ2「で、この来訪者はどうするんだよ?」
ヤギ4「・・あの、どちら様ですか?」
オオカミ「いや、だから母さんだって言ってるでしょ?」
ヤギ2「まぁ・・もっともだよな。」
ヤギ3「もっともだな。」
ヤギ4「でも、母さん自体本当に母さんかどうか怪しいしね。」
ヤギ3「まぁな。つうか、俺もうすぐバイトだわ。」
ヤギ2「とりあえず、この来訪者をどうするかを話し合ってみようか。兄さん。」
ヤギ1「よし、みんな!ちょっと集まってくれ!」

ガヤガヤ・・・

オオカミ「・・・・え?・・・今どうなってるの?・・ドアの前に気配がなくなったよ?・・・待つか。」

10分後・・

オオカミ「・・まさか仮にも母さんが帰ってきてる状況で10分放置はないよな・・え?・・・え?」

30分後

オオカミ「絶対おかしい。よくよく考えたら、あいつらのセリフもおかしかったしな。ちょ、窓とかないのかこの家・・・お、あった。」


窓。

ヤギ5「ヨッシャー!登山成功、3億円!」
ヤギ1「おお、やるなぁ。はい3億。」
ヤギ3「フフ、次3が出れば三人目の誕生だぜ!」
ヤギ2「次・・宝くじ買うかな。」
ヤギ4「・・・・赤い紙幣が・・一枚・・二枚・・・フフ。」

パリン


オオカミ「人生ゲームやってんじゃねぇぇぇぇええええ!!!!」

ヤギ5「うわー!全体白塗りの変態が現れたー!」
ヤギ4「キャー卑猥!」
オオカミ「うっさい!卑猥ちゃうわ!ボケ!」
ヤギ3「逃げろーみんな所定の位置へ逃げろ!」
ヤギ2「やっべ、どないしょ。」
ヤギ1「みんな、慌てるな!」

逃げ遅れるヤギ6

ヤギ6「・・あ・・あわ・・・あ・・・。」
オオカミ「クク・・2ヶ月ぶりの食事・・・悪いが私の血肉と・・・」

バキ!

オオカミ「イテ!」
ヤギ4「こ、この・・・変態!食べるなら私を食べなさいよ!」
ヤギ6「ね、ねぇちゃん・・。」
ヤギ4「あ、あんなみたいな白塗りの変態こわくなんかないんだから・・キャア!」
ヤギ6「や、やめろーねぇちゃんをいじめるなー!」
オオカミ「いや、お前らの応対もかなり酷いと思・・」
ヤギ4「うるさい!変態!さっさとあっちいけー!」
オオカミ「・・・・・後でいっか・・・・。」

オオカミ「先代がミスした所から攻めるか・・。」

時計前へ。

オオカミ「ハァ、もうなんか疲れたわ・・一匹食ったら帰ろ。」

ガチャ

赤頭巾「エンドオブザワールド☆」

ガチャ

オオカミ「みんな、俺帰るわ。びっくりさせてすまんかった。でも、玄関の応対は改善したほうがいいと思うぞ。じゃあな!」
赤頭巾「・・・どこ行くの?」
オオカミ「な、なんでテメェがこんなところにいるんだよ!」
赤頭巾「あなたが・・約束をちゃんと守ってるか監視に。」
オオカミ「いやぁ、やだなぁ。私はちゃぁんとアレから動物襲って食ったりしてないですよ?」
赤頭巾「なら、時計にいたのが七番目のヤギだったら・・あなたはどうしてたの?」
オオカミ「それは・・・それは・・・・・脱兎!」
赤頭巾「全く、無駄なのにね。オチビちゃん!はさみと針と糸を持ってきて頂戴。」
ヤギ7「は、はい!」
オオカミ「ま、待て・・話せば分かる。まだ何も食ってないし・・オチが一緒ってのもアレだろ?」
赤頭巾「大丈夫よ。今回はちゃんと原作どおりに事を為すから。」
オオカミ「それって・・・。」
ヤギ4「赤頭巾さん、言われた石は家の裏にありますのでー。」
赤頭巾「ああ、ありがとう。」
オオカミ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
ヤギ2「井戸は家の庭の盛り上がったとこです。」
赤頭巾「どうも。」
オオカミ「すいませんすいませんすいません。」
ヤギ7「赤頭巾さん!はりといととはさみ!もってきましたー!」
赤頭巾「フフ・・ありがと。」
オオカミ「・・・ああ、何故私は生きながらえたのだ。」


赤頭巾「それでは、皆さん準備はいいですか?」

オオカミ「ニャーギャーーー!!!!」





END





どうも、童話シリーズ?第二段。
サルレター吉秋です。
オチが弱いなぁ・・書き初めと中盤・・そして後半とでテンションがまるで変わっちゃうんですよね・・。
それで、日数あいたりして話に矛盾が生じたり・・
まあ、話自体がメチャメチャですが。
毎回、セリフ重視の感じなのでノベルズ風味なモノも時間があればやって見たいですね・・。
では、次がいつになるか分かりませんが・・。



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